手縫いの革小物の作品の紹介から、気まぐれで野菜栽培の記録、
異文化で生活する人々の記録写真や猫のことなども綴ります

一枚革の巻き紐ペンケース(革色:チョコ / 麻糸:白)

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一枚革で仕立てたチョコの巻き紐タイプのペンケース。

縫い糸は麻糸の白で、コントラストがハッキリしていて、こちらも素敵な表情です。

内側には「返し」があり、中身がゴロンっとこぼれ落ちないようになっています。

 

 一枚革で組上げ、左右の二か所のみを手縫いで縫い留めています。

縫い目が表面に出ていないため、摩擦などで糸が擦り切れることもなく、長くお使いいただける作りになっています。

革の裁断面の処理は、両面の面取り、磨き上げ、蜜蝋を熱で溶かし込んでコーティング・保護を兼ねた艶だしを施しています。

革の厚みは1.2mmあり、柔軟性と丈夫さをバランスよく兼ね備えています。

 

いずれ経年劣化によって修理が必要になるであろう場所は、革紐の留め具としている中央の丸ボタンの部分だと思います。

紐の付け根が切れてしまったり、カシメの付け根の革がヘタリ、破けてしまうなど。

ただ、作りはとてもシンプルなので、材料と道具(カシメ、紐、カシメ打ち具、)があれば、どなたでも修理ができると思います(多少の器用さは必要かもしれません・・・)

必ずしも、元と同じ状態に復元する必要もなく、紐の素材を変えてみたり、カシメの色を変えてみたりと、それぞれの好みのかたちに修繕することも出来ると思います(多少の発想力と応用力は必要かもしれません・・・)

 

もともと、このペンケースに限らず、どの作品でも、壊れにくく、たとえ壊れても修理が可能であることを前提に設計をしています。

日常で使う道具である以上、長く使っていく中では当然、傷みや損傷が生じますので、なるべく修理をして使い続けることができるようにと考えています。

それに、革製品というのは本来、使用する方の時間と思い出を刻み、経年変化を楽しみながら使われるものだと、個人的には思っています。

 

さらに少し偉そうなことを付け加えますと、現代の「大量生産」「大量消費」「大量破棄」という、安易な物質主義的な社会のサイクルに異を唱えるものとして、ささやかな抵抗をしたいのです。

人間(大衆)の心理というのは不思議なもので、物の良し悪しだけではなく、予め人間によって付けられた「価格(価値)」に依存させられている場合があるように見えます。

例えば、良い作り(素材、デザイン、機能性、仕立て)の物でも、付けられた価格が安ければ、「壊れても安いしまた買えるから」と、それ相応の扱いになり、逆に作りに見合わない高い価格の物には、「それなりの対価を支払ったので、大事に使おう」と考える傾向があるかと思います。自分自身の中でも少なからず、過去にそういう心理が働いたことがあります。

 

話が飛躍しますが、以前、テレビで見た心理実験なのですが、ある中華料理店での実験で、「有名シェフ」が高級料理を振る舞うという前提で、主婦3名を招いて食事を提供していました。

その主婦たちは、次々と出される料理を口にしては、「さすが○○シェフの料理ね!」と、ありとあらゆる形容詞を駆使して、高いのも納得できると、とても有難そうに賛美を繰り返していました。

しかし、実際に調理をしていたのは、料理人でもなんでもない方で、確か普通に売られているレトルトなどの既製品を使って、お店の器に綺麗に盛って提供していたというものです。

ネタを明かされると、それぞれ恥ずかしそうに振り返り、「絶賛するほどでもなかったけど、普通に美味しかったわね」と、口を揃えて言っていたと思います。(記憶を辿ってますので、正確ではないです)

皆、「有名シェフによる高級料理」という、予め与え刷り込まれた情報(価値)によって、中身の良し悪し以前に、そのモノの価値が先にある程度決定付けられていたように見えました。(レトルト品が本当に美味しかったのかもですが)

 

上記はほんの一例ですが、如何に人が既成概念を元に、自分の中の思い込みや決め付けによって、その物(事)の価値を決めてしまっているか、というのが垣間見える興味深い様子でした。

 

ということで?、なるべく、どなたでもそこそこ気軽に購入いただけるよう、販売価格を抑えておりますが、現在、様々な要因から原材料、配送料までもが高騰しているため、事前告知なく価格を改定させていただくと思います。

どうぞ、ご了承ください。

 

話が大きく逸れましたが・・・、シンプルで素敵なペンケースになりました^^

どうもありがとうございました。

 

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