手縫いの革小物の作品の紹介から、気まぐれで野菜栽培の記録、
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アコーディオン型の小銭・カード入れ(作業工程)

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アコーディオン型の小銭・カード入れの作業工程を少しご紹介します。

キノコのシルエットのような形をしていますが、この後いくつかの工程を経て、前回投稿の「アコーディオン型の小銭・カード入れ(ブルー)」になっていきます。

 

 上の写真は既にパーツを裁断済みですが、裁断後には、床面の磨き、両断面の面取り、断面のヤスリ掛け、染色、磨きを順に行います。

その後、縫う箇所を菱目打ちで空け、ホックを取り付け終えた状態が上の写真です。

 

↓ ホックを取り付けた箇所の裏面には、カード類にキズが付かぬよう当て革をしています。

ここは接着のみとなるなので、貼り合わせ面を毛羽立たせて接着し、ローラーでしっかり圧着させています。

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↑ これは内部のしきり部分のパーツです。

両サイドを折り返し、接着しています。

 

ここも縫いを入れないので、先ほどの当て革と同様に処理しますが、こちらはさらに内側に「焼きネン」という道具で熱を加えています。

これにより、張り合わせた接着面がより強固になる効果があります。

最後に、折り返した両端の重なる部分を革包丁で漉き、余分な厚みを減らします。

 

↓ 焼きネンの道具は、半田ごてに加工した真鍮棒を挟んで使用しています。

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↑ 各処理を終えた後、表面のパーツを型紙のガイドに沿って折り込んでいきます。

ここで折り込むラインを間違えると変な癖が付いてしまい、歪んだ形になってしまうので慎重に確認しながら行います。

 

↓ ひっくり返すとこんな感じで、だんだんと形が見えてきます。

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↑ 折り込みを終えた後、内側の仕切りパーツを挟み、手縫いの作業となります。

開閉の負荷を考え、全ての箇所を二重に縫い上げているので、糸が切れる心配はまず無いと思います。

 

↓ こういった工程を経て、こんな感じの作品へと仕上がります。

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↑ ブルーの他、チョコ、オリーブ、ワインレッド、オレンジを取り揃えています。

 

裁断面の面取りや磨き、焼きネン、床面処理など、細かな工程を省いても耐久面で大きく劣るわけではないですが、一見、目立たない部分にこそ手間をかけてあげることで、長く使っていく中での違いが現れると思っています。

手間をかけ過ぎず(価格に転嫁されるので)、手間を惜しみすぎず、丁寧なもの作りを心掛けています。

 

 

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