革とキャンパス生地の三脚ケース①
硬派でたまに軟派な記録映像作家の友人から、三脚ケース作製のお願いがありました。
20年近く愛用してきた三脚ケースを自分で修復をしながら使ってきたものの、さすがに限界になってきたようで、同様の形で新調したいとのこと。
今後も世界中を歩き回って酷使されることを考えると、
さらなる使いやすさを考慮しつつも、40年くらいは手直ししながら使える丈夫なものを作ろうと思いました。(出世払いを期待する邪な心も抱きつつ)
ミシンを持っていないため、全て手縫いでの仕立てということもあり、かなりの時間を覚悟していましたが、案の定、悪戦苦闘をすることに・・・。
まずは、サイズ確認のために床革で組み、調整を加えながら各パーツの切り出し。
フタ部分は床革を当てて補強し、キャンパス生地は2重に、玉縁の芯は丸革紐で。
紫外線に触れる外面の糸は麻糸を使用し、紫外線に触れない内部はナイロン系の糸を使用。
ボロボロになっている三脚ケースを見ると、負荷が直接キャンパス生地にかかっている箇所が特に酷く裂けています。
それなので、力の掛かる箇所には全て革を当てて補強をしています。
特に革と生地の接点を重点的に。
この一列(50㎝くらい)を縫い上げるだけでも30分・・・。
試作作りでも思いますが、距離のある作品には手回しミシンが必須だと痛感します。
(つづく)